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IT活用研究会

第6回IT活用研究会 詳細レポート

●サイトへのアクセスを一気に高めるのにメディアの果たす影響力は大きい
 さて、そのように苦労して作ったサイトもなかなかアクセスが増えないものである。一気にアクセスが増えるのに、ネットでの検索によるアクセスというのもあるがメディアの影響と言うのはとても大きい。梅谷さんも最近の経験で実感している。

「ビックリしたのが、たまたま先々月にラジオの乾龍介さんの『東西南北・龍介が行く』という番組で、うちのポン酢のファンの人がたまたま美味しいよと言ってくださって、乾龍介さんがそのポン酢の話をラジオで話したんです。話した直後に、このサイトへのアクセスというのがすごかったです。で、電話で繋がらないとか、なんとかいう事が起こってきた。で、「ホームページを見たんやけど、注文は電話でする」とかいう、そういう意味での効果というのか、それが大きいなと実感しました」

 メディアやマスコミで紹介されるとサイトへのアクセスが一気に増えることは、特に食品関係では多く見られる現象である。商品をラジオやテレビで聴いたり見たりした人が、最初に商品情報なり購入のための手段として使うのはWEBサイトであるケースが家庭でのインターネット環境の整備普及していくとともに比例して増えている。しっかりとした情報提供できるWEBサイトを持っておく事は、梅谷さんの例のようにサイトへのアクセスが一気に来た時にお客様の安心感と信頼感を醸成していくのにとても大切な事である。

●ユーザーのインターネット上での行動はいままでの感覚で捉えてはいけない
インターネット・インフラの進展に伴って、お客様のインターネット活用のパターンも多様化していく。われわれは、インターネットを活用するときに、どうしても従来のネットを使っていないときの感覚で物事を考えがちだが、いつも白紙の状態で捉えていきたい。
 いわゆる宿泊業におけるネット予約というというのが増えてきている。私も東京とかに出張する時には、インターネットで予約するというのが当然のようになっている。伊藤さんは予約を受付つける現場から電話予約とインターネット予約のお客様の行動の違いをこのように受け止めている。旅館を予約する時に電話でされる場合と、インターネットでの予約とこんなに違いがあるものかと改めて感じさせられた。

例えば、インターネットがなかった時代のお客様の予約行動は、

「今までインターネットがなかった時代というのは大体電話予約というのがほとんどなんです。電話の場合やはり予約する前に、誰しもがそうだと思うんですがまず問い合わせ。で、『るるぶ』とかそういう旅行情報誌を見て、多分いくつかの所を問い合わせされた中で、そしたら飛鳥荘にしようか、ということで、再度予約されるというのが、多分我々逆の立場から考えてもそうじゃないかなと思っているんです」

それが、インターネットを経由した予約の場合は、

「インターネットを立ち上げた時もやはり問い合わせがあるんじゃないかな、問い合わせの中でメールでお客さまとメールのキャッチボールみたいなものをしていく中で予約に繋がればいいなという思いがあったんですが、結構、決定率が高いというか、問い合わせがあまりないんですね。いきなり予約、空いていれば予約。逆に、この部屋無理です、というようなことで、お断りをしないといけない。そういうメールが多いぐらいで、問い合わせというのはまずほとんどない」

 なぜ、そういうことになってくるのだろうか。これは、お客様が得る情報量と得たいと思っている情報の質がインターネットである程度満たされるところにあると考えられる。

「私なりに色々考えてみたんですけど、やはり情報誌などに載っている例えば写真でありますとかいうのは限りがあるんですが、インターネットですと館内の施設がどんな施設かとか料理内容がどんなのであるということが事細かに見ることができるので、そういう部分でお客さまがある部分納得されて予約されるのかな、とそんなふうに思います」

●インターネットは価格の透明性を一層高める力を持っている
 価格ということについて、予約客はインターネット上ではどのようなことを求めているのであろうか。旅館と言うのは、ホテルとは異なりある程度、価格交渉が出来るところが昔から残っている。果たして、インターネット上でもこのような交渉が出来るのだろうか。また、交渉してくる予約客は多いのだろうか。

「これも皆さんお感じの所だと思うんですけど、やはり旅館は空けてしまえば売上がゼロという部分がありまして、やはりシーズンオフですと、例えば仮に一人一泊二食で1万5千円と決めていても部屋が空いていて予算が1万3千円しかないということであれば、交渉に応じるようなケースというのが結構あるわけなんです。もともとそれというのは電話での問い合わせでの発想です。当初は、電子メールでもそういうやりとりを出来ると考えて立ち上げたんです。  
 ところが逆にそれは消費者側にとっては不親切だというお叱りのお言葉も受けたりもいたしまして、やはりもっと明確でないといけないということで、部屋はこれです、料金はこれです、この人数でこの部屋に泊まればこれです、時期もこの日だったらこの料金です、という明確さというのがネットをされる方には問われるのかなと、そんなふうに感じました」

 インターネットでは価格がクリアになっていくと言われているが、まさにそれが飛鳥荘のWEBサイトでも起こっている。情報化が進んでいくと、供給側も需要側も持つ情報の質・量に以前ほどの格差がなくなってくる。その一つに価格情報というものがある。