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IT活用研究会

第2回IT活用研究会 詳細レポート

●ネットショップに詳しくなれば、ネットで買うことに高い信頼感を寄せることになる。

では、ネットでとことん商品を買う人はどんな人か。あるいは、真珠のような高額商品を実物を見なくて手に取らなくて、買ってしまう人とはどんな人なのか。そして、返品もほとんど無いと来ている。このヒントは岩城真珠のリンクの多さにあった。

 

岩城真珠のサイトは極めて多くのリンクサイトがある。その数は百サイトを越えている。このリンクが多いのは、検索エンジン対策とともにネットショップのオーナーを顧客にすると言う戦略があったからである。

 

「リンクページが多いのは検索エンジンもそうですし、さっき言ったようにネットショッピングの場合、お客さまがネットショップの方が多かったんです。これリンクしませんか?といって結局はウチの商品買いませんか、ということで。お肉屋さんからお肉を買いますけど、見返りにウチの高い真珠を買っていただいて、ものすごくずるいことしてるんですが。やはりお互いさま、苦労してるのは皆仲間なんで。関連して言いますと、私の家にある、机、布団、冷蔵庫、洗濯機、全部インターネットで買いました。ほとんどのものをインターネットで買いました。なぜかというと決済と配達。配達する運送屋さんの笑顔。どんなものにお金をやるのか。やっぱり全部買っちゃえと。家から出ないで暮らしてます」

 

なぜネットショップオーナーは上得意客になるのか。それは、自分でネットショップをやっているから、いかに品質の良いものをアフターケアも含めて、きちっと販売することがお客様をリピーターにするコツであるかを知っているからである。現在、ネット通販での問題も出ているが、リアルな店舗での問題に比べれば、逆にネットショップが引き起こす問題は少ないのではないか。

 

この話の中にあるネットショップを運営している人をターゲットにアプローチする、ということはヒントかも知れない。マーケティングでは市場の細分化というのがよくテーマになる。新しい時代には新しい市場のくくり方というのがあるのではないか。その一つが、従来の年齢、性別、地域、所得などではくくれないくくり方ではないだろうか。そのヒントを見た思いである。



●高く仕入れて、安く売る。お試し価格の利益率は高い。利益の固定観念から脱却する。

岩城さんの仕入れ哲学は小気味いい。高く仕入れて安く売る。非常識ではない。このことこそ、商売の真髄でもあるように感じたのは私だけではないだろう。

 

「価格の問題は、仕入れの部分と密接に関係あるんですけども、人気商品を全部前払いで買っちゃえば仕入単価はかなり下がります。私の商売は信用も何にもないところから真珠屋始めましたので、当初やったのは、値切らずに高く仕入れて、安く売るということ。安く仕入れて、高く売るというのはすごく難しいので、後から参入するところはできないことなんです。ですから、最初の一年、ガマンしてガマンして高く仕入れて値切らずに一年間ガマンしたら、そのうち卸してくださる方が適切な価格でいの一番に声を掛けてくれるようになった。それでウチは潰れずに持ってるんじゃないかなと今になって思います」

 

仕入れると言うことは本当はすごく難しい。仕入先がこちらを信用してくれなければいつまで経ってもいい商品を仕入れることは出来ない。だから、高く仕入れる。お客様は安くなければ信用のないうちは買ってくれない。だから安く売る。こう考えれば、安く仕入れて高く売るのは、もっと信用がついてからと言う事になる。

 

「ですから、この商品の値段価格を決める時に、先に全部現金で、「あるだけ下さい」と言ったら、非常に安い価格で良いものをいただける。意外とおかしいんですけど、安いものが一番利益率が高い。ケースとかそんなの考えるとすごく儲かるんです。ただし、比較対照した時に、先ほどの品質の部分があって、有名真珠屋さんのショップでこれ12,000円か20,000円近い値段であるらしいです。お客様が18,000円の商品よりこちらの2,800円の方が品質が良いとおっしゃっていただいている。まずここで掴んだら、いきなり70万円100万円の商品に流れる。これとんでもないことなんですけど。やってる私たちがビックリするんですけど。こういうふうに。無理してないんです。こういうふうに一番利益率高い商品でお客さまに納得していただいている。利益率高いから私たちも過剰なサービスできる。ケースにしても包装紙にしてもよりワンランク上。儲かってるのでできる」

 

なるほどと思ってしまう。これはネットだけではなく、リアルな商売でも言えることである。ただ、リアルな商売でどれだけ商品の情報をお客様に伝えられるかというと、やはり、ネットでの情報提供の方が、お客様との質問に対する回答も含めるとかなり濃密であると言える。ここに、ネットショップのつぼがあるように感じた。

 

最後に、岩城さんはネットショップ成功のポイントは、コミュニケーションにあると言う。

 

「70万円のネックレスの画像と1万円のネックレスの画像、一緒です。デジカメでパチッと撮って並べていますが、やはりそれなりにはキレイに写っても正直言ってどうしようもないです。だから画像よりも言葉、言葉よりもその言葉を伝える為にどう言ったらいいかというテクニック。全く実店舗と同じです」

 

最近、eメールマーケティングの重要性が言われ始めている。あるいは、1ページあたり35秒しか見ないと言われているアクセス客に対して、どのようなキャッチコピーで引きつけるか。このあたりにこれからのネットショップ運営のつぼがあるように感じる。

 

今回の話は、ネットショップの上手なやり方ではなく、ネットショップのつぼから商売の本質を学ぶ講演会であった。その後のトークセッションにいたっても、岩城さんの軽快な回答は続き、聞いているものに希望とやる気を与えてくれた研究会であった。

 


以上