中小企業団体中央会について

IT活用研究会

第1回IT活用研究会 詳細レポート

【挑戦する中小企業のネットワーク】

内原社長の講演を聞いて、自社の情報や考え方をオープンにしていけば、どのような企業でもネットワークは構築出来ると感じた。そして、ネットワークは新たな勝ち残りの可能性を示してれることも同時に感じた。そのための、経営者の基本姿勢は、「オープン・マインド」である。自社の利益を優先することからは良いネットワークは生まれない。これからは新しい経営の価値観が必要であることを痛切に感じた1日でもあった。内原社長の講演から、新しい価値観を感じさせるフレーズを拾っていきたい。

●NCネットワークで提唱しているのは「選ばれる営業」

NCネットワークは現在9,400社のネットワークになってきており、工場検索だけでも月間約10万回も検索されている。ネット受注に関しては今後、発注サイドが情報をインターネットで調べる時代になってきた。もちろん、内原氏自身もホテルの予約も行先の場所確認やニュースチェックもインターネットで行っている。私もインターネットというのは本当に身近な道具になっていることを身をもって感じる。インターネットで工場を探すということがこれからは当たり前になってくるであろうというふうに考えられる。とはいっても、工場がインターネットで積極的な営業展開というとどういう形になるのかということになると、今までも今後も"待ち"の営業というのは変わらないと、内原氏はこう語る。
「工場が持っている技術、これは僕の親父もそうですが、これまでの日本経済のなかで、トヨタさん、ソニーさん、ホンダさん、といった非常に優秀なメーカーさんが日本には数多くあります。そういったメーカーさんの下で、いわゆる下請けの製造工場というのが出来上がってきて、結果的にそういった工場の技術力というのは今世界で一番になったという風に言われてきました。ところが、この10年ぐらい非常に危うく、特に大量生産の部分では危うくなっているということではないでしょうか」

と、内原氏の中には強い危機感が内在している。その危機を乗り越えるために、どうするのか。
 
「そこで、NCネットワークで提唱しているのは『選ばれる営業』、これを頑張りましょうということをお話しています。『選ばれる営業』というのは何かといいますと、製造工場の方のお話ですが、とにかくインターネットを通じて自分の得意分野を徹底的にアピールする、色んなサイトに登録する、色んな所にリンクしてもらう、色んなことでアピールする、と。結果的に自社の得意分野で選ばれると、お客さんに非常に満足頂くと同時に自分の工場も高い利益率が確保できるということですね。
例えば僕の工場は建築の金物をやっています。20人規模で年商4億円でやっています。建築関連の部品というのは結構精度はいいかげんなんですね。僕もセイコーエプソンでリードフレームの金型なんかやってましたんで、一応細かい金型の設計まではできます。ところがじゃあ自分の工場で作ってみるというと、現場がやっぱりそういうふうになっていないんですよね。ですから僕の工場にはやっぱり建築の仕事が来てくれると一番有難いわけです。
建築分野の仕事が来ると、コスト的にもお客さんに満足いただいて、納期的にも、いつもやってる仕事ですから、結構早くできます。品質なども例えばお客さんの図面を見て、『あぁ、ここはこんな精度いらないでしょう。勘合でやりましょう、あわせでやりましょう』というような形で提案でき、結果的にお客さんにも満足していただけるということですね」

『選ばれる営業』と言う発想は私にとって新鮮だった。数多くの下請け製造業の中で選ばれるためには、どのような自己主張をしなければならないのかということが明確になってくる。この言葉を聞いたとき、目の前の曇りが取れたようにハッとした。さらに内原氏はこう語る。

「今後ネットでいきなり発注するということではないのです。実際には発注メーカーがインターネットで検索して、いろいろ沢山の工場を並べて『どの工場がいいかな』『どの工場が安いかな』『どの工場が早いかな』ということで検索するということですね。結果的にそれで受注をされている工場が今沢山増えているということではないかと思います。先ほどの色んな工場の事例をご紹介しましたが、こういった工場の事例を見ていますと、何らかの形で選ばれているんですね」

まさに、インターネットは出会いの場とは良く言われたことである。また、インターネットは迷子になっている需要と供給を結びつける優れたコミュニケーション・ツールである、と言うインターネットの本質を具現化しているのがNCネットワークであることも実感した。