ものづくり補助事業成果事例集
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一般的に素麺は「夏に食べるもので冬には食べられない」という固定観念とも言える強いイメージを持たれている。その為、素麺の売上は6〜7月に集中しており、素麺業界全体として冬季の市場開拓が課題となっていた。2015年頃は素麺需要が特に低迷しており、全国の素麺産地において在庫過多が続いていた。各製麺事業者には素麺の生産調整が入り、事業継続に関わる非常に苦しい状況となっていた為、通年販売できる素麺以外の商品開発が急務となっていた。当製麺所においても状況は変わらなかったが、以前から「ゆずうどん」「国内産小麦粉使用麺」といった特殊麺の製造開発等、素麺以外にも手延べの製麺技術を応用し、常に新しい事業展開に取り組んでおり、この状況を打破すべく生産工程を改善し、生産効率の向上・コスト減・生産量の安定化と新商品の開発を計画した。本事業においては新型の冷却除湿器(乾燥機)を導入した。これにより、天候や湿度に大きく影響を受けていた乾燥工程で温度・湿度を一定管理できるようになり、時間短縮・品質向上に繋がった。同時に、生産量が約2倍に向上し、省エネによるコスト削減も可能になった。温度・湿度管理を行う事で生産環境が安定し、生産能力に余裕が生まれた事で、新商品の開発試作や量産が実現。新商品の開発計画としては、「手延べにゅうめん」「薬膳そうめん(にゅうめん)」の試作開発、後に主力OEM商品となる「■うどん」の完成、特級商品として熟成素麺の「3年古物(ひねもの)」の開発・量産体制構築、等の成果を得る事ができた。事業の背景冬季・通年販売できる新商品開発事業の成果生産性向上により品質安定と新商品完成45〈事業計画名〉 新型乾燥機導入による新商品開発と生産安定化の取組み平成27年度補正乾燥機の導入で生産環境の安定化冬季・通年販売できる新商品の開発に着手尾上製麺所

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