ものづくり補助事業成果事例集
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当社は長年蓄積したノウハウを駆使し、漢方液剤および顆粒剤の一貫生産を行っており、その独自製法の優位性で他社との差別化を図ってきた。近年、国の健康医療政策にセルフメディケーションの推進が位置づけされ、一般薬とりわけ漢方薬が見直されており、今後需要が拡大する事が予想された為、漢方エキス製造工程を改善し、生産性の向上と更なる品質安定が急務となった。漢方エキスの製造は、高温で生薬の抽出・濃縮を行う。要は「煮出し」て有効成分を濃縮したエキスを得る訳だが、常時高温下の作業となり、作業員の負担は非常に大きい。そこで、抽出・濃縮工程を一体的に自動制御する事で、作業員の負担軽減と作業効率向上・品質の安定を図った。原料生薬を溶媒で煎じ、ろ過した抽出液を更に煮詰めて濃縮液(エキス)を得る本事業においては、最新式の貫流ボイラー、製造自動化装置、消臭装置(デオライザー)を導入。これまで作業員の経験に頼っていた各設備の操作タイミング等を数値化し、各工程を連動させた事で抽出・濃縮の精度が上がり、品質の安定化に繋がった。また、製造過程において生薬独特の臭気が発生する為、近隣住民に対する配慮から今までは間隔を空けて生産稼働していたが、消臭装置を導入した事で臭気がほぼ100%解消され、臭気公害防止に貢献。連続した生産稼働への障害が無くなり、抽出・濃縮工程の自動化・連続稼働が実現した事で生産効率が約3割向上した。事業の背景セルフメディケーション推進での漢方薬の役割事業の成果連続稼働の実現と臭気公害防止23〈事業計画名〉 漢方エキスの生産性向上、海外展開および取引力の強化を図る。平成27年度補正熟練技能の数値化による品質の安定高品質を維持した製造工程の自動化新生薬品工業 株式会社

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