ものづくり補助事業成果事例集
20/61

従来、建物状態の診断は経験や勘に頼る非常に感覚的・抽象的なもので、施工業者では行わず外部業者に委託する為、事前調査の精度や見積価格の適正感においては顧客・施工業者双方が不安やリスクを負い、結果的に消費者トラブルに発展するケースも多かった。当社では数年前からリフォーム工事の施工だけでなく、自ら住宅診断を行ってその結果に基づく工事を施工し、顧客の不安感を軽減するよう努めてきた。そしてサービス拡充のため、住宅の現在の状態及びリフォーム後の状態をそれぞれ数値化・客観化・可視化し、将来にわたって情報を蓄積していける「住まいるカルテ」サービスの提供を計画。「住まいるカルテ」は国交省が定めるガイドラインに当社独自の項目を追加し、構造・耐震診断5項目、維持管理診断3項目、空気環境診断4項目、光・視環境診断1項目、その他騒音などの検査2項目を診断内容とし、より詳細な住宅診断をするため、本事業にて測定用機器の導入を行うことにした。本事業にて15種の測定用機材の導入を行った結果、外注や経験・勘に頼っていた診断項目を明確かつ短時間で測定する事ができ、高所・狭所での安全性の確保も実現した。また、複数地点で同時測定が可能となり、事業の機動性も向上。加えて、自社案件だけでなく他社案件における「外部委託の第三者機関」として住宅診断サービスを提供できるよう「なら住宅診断LABO」を開設し、中古物件購入時に現状把握・将来のメンテナンス計画を踏まえた住宅診断結果を提供する事も可能となった。事業の背景建物状態の正確かつ明確な現状把握の必要性事業の成果測定効率の向上で別サービスの展開へ派生19〈事業計画名〉 既存住宅の性能・資産価値向上を実現する住まいるカルテの新規提供平成27年度補正顧客・施工業者双方の不安を解消ビフォー・アフターの状態を可視化する株式会社 創造工舎

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る