11奈良県では平成27年に「漢方のメッカ推進プロジェクトチーム」を発足。当社もプロジェクトに参加し、奈良県産大和トウキを母体とする「漢方系生薬ドリンク」の市場開拓を目指した。研究の結果、「Angelica 和漢ドリンク」を開発。更に大和トウキの認知度を上げ、より確固たるトウキドリンク市場を創出するため、トウキ以外の生薬を付加した新たな商品の開発を進め、まったく新しい市場展開を目指した。漢方系生薬ドリンク市場の期待値は高いものの「トウキ」の認知度は低く、認知度アップに向けて、新商品開発のスピードアップが必要となり、また、新商品の事業化を成功させるために多品種少量生産は必須条件であるため、より市場要求に合わせた小ロットに対応する生産性の向上も大きな課題となった。また、従来の機器では製造ラインが安定するまでに時間が掛かることが最も大きな課題であったことから、新型PLCを導入することで、CPUの処理能力が上昇。更にはネットワーク構築が容易に行え、稼働情報や品質情報のトレーサビリティを管理することが可能となった。その結果、開発期間短縮に成功し、更に小ロット生産時の原価を抑える事にもつながった。事業の背景事業の成果〈事業計画名〉 奈良県産トウキ生薬でのトウキドリンクの開発及びブランドの構築商品開発に向けての効率アップを図る奈良県は古来奈良時代より薬の原料である生薬の一大生産地であり、品種の良さから「大和物」と評され、地場産業として発展していた。だが、西洋医学の浸透に伴い生産量が低下、近年では中国産、北海道産に押され、栽培面積、生産量共激減している。生産性向上と研究開発の期間短縮に成功本事業においては、試作配合品の並行試験が実施できるよう、「低温恒温恒湿器」「高圧蒸気滅菌器」を導入。あわせて、製造計画の合間を縫って量産機を使用していたキャップの巻き締め作業を独立し、「半自動キャッピングマシン」を導入することで、複数の試作開発品の並行試験が可能となった。令和元年度補正時代の一歩先を見据える商品開発へ衰退する国産生薬産業にメスを入れる金陽製薬 株式会社
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