ものづくり補助事業成果事例集
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精密機器製造に必須の特殊治具-事業の背景-高精度化する顧客からの開発要請-事業の成果-高精度加工の安定化と熟練技術の継承高精度設計を具現化する技術力 金属加工において、精度を決定づける重要な要素は最終工程の「研磨」である。数種類の砥石を使用して多面的に処理を行うが、非常に時間のかかる工程であり、経験による判断が重要な要素となるため、熟練技術者による作業が必要であった。 本事業において導入した設備により、CNC制御による加工で、要求されるレベルの精度を安定して加工することが可能となった。また、熟練技術者の経験に頼っていた部分を数値制御化し、さらに加工工程の集約化を図ることで、新人による機械操作であっても迅速な加工体制を確立することができ、生産効率は従来の約5割程度の短縮を実現することができた。 高精度加工の制御が可能となった点に加え、熟練技術者の技術継承における懸念点を払拭できた点は非常に有効な成果である。 当社の取引先の1つである自動車産業は、燃料枯渇・地球温暖化防止などの観点から、駆動機関を内燃エンジンから電気モーターへとシフトしつつあり、各自動車メーカーは電気モーター開発に注力している。 その中で、某大手電機メーカーよりハイブリッド車用電気モーターの製造工程における加工用治具の開発依頼を受けた。 要求された仕様は試作段階から非常に高い水準が必要なものであったが、量産ラインに組み込む段階では試作段階よりさらに約5倍の高精度加工を要求されていた。 本事業により高精度加工が可能となる設備を導入し、要求水準を満たす精度での試作品開発に加え、量産体制時に要求される精度の加工方法の確立に取り組んだ。事業計画名次世代電気自動車用モーター製造機械に取付する高精度な加工治具の開発平成29年度補正藤井精密工業 株式会社53

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