ものづくり補助事業成果事例集
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所在地奈良県北葛城郡広陵町南郷225-1連絡先TEL : 0745-55-3392 / FAX : 0745-55-3395ホームページhttps://nitta-fam.co.jp/E-MAILd.akimoto@ac.auone-net.jp代表者名代表取締役 新田 裕株式会社 新田業種分類事業内容繊維工業メンズレディースカットソーの製造販売、リバーコートの製造販売-株式会社新田の概要-「リバー」と「カットソー」を両立している数少ない縫製工場 1953年創業の当社は、靴下などのメリヤス製造にはじまり、現在はアパレルメーカーやDCブランドを顧客として、リバー縫製コートとカットソーのOEM生産を行っている。 「リバー」の量産が可能な企業は全国に数社しかなく、その中でもリバーとカットソーの量産を両立しているのは当社のみである。 また、奈良県のブランド支援事業「TEIBAN展」にも参加しており、ポジティブな生き方をイメージした自社ブランド「Aruki-tsudukeru」を立ち上げた。現在は松屋銀座で、奈良県がブランド開発支援事業の参加事業者が運営する奈良ブランドのセレクトショップ「N・A・R・A T・E・I・B・A・N」で展開している。 当社は日本人の職人や中国人実習生、パート主婦など色々な人たちが集まっている。その中には障がいを持つ人もいる。 1966年に集団就職で雇用した従業員の中に障がいを持つ人が数名いたことがきっかけで、全く意図することなく「障がい者雇用」は始まり、現在は6名の方が働いている。 先代の自らの生活を削ってでも「従業員は家族として迎え入れる」という思いが雇用の礎となって現在も受け継がれており、職場の“合理的配慮”を進めるなど働きやすい環境を築き、当人達が適職とされてきた職種・範囲に囚われる事無く、新しい分野に共にチャレンジすることが大切だと考えている。-株式会社 新田の社会貢献-先入観に囚われず、家族の一員として個々人の技能を開花させ育む-株式会社新田の拘り-「リバー縫製」を正しく認識してもらい、技術を継承していく 一般的に「リバー」というと「リバーシブル=表も裏も着られる服」と認識されているが、当社が扱う「リバー縫製」は意味が異なる。 「リバー仕立て」「一重仕立て」とも呼ばれるその手法は、2枚の生地の裏面同士を接結糸で織り合わせ、両表にしたダブルフェイス生地を使用し、端の処理の際に特殊な手まつりで仕上げる。「リバー」とは最高級縫製手法で縫われたダブルフェイス生地の一枚仕立ての服を指し、決して「裏も表も着る服」の事ではないのだ。表地1枚で仕立てるため、圧倒的に軽くて薄く、ソフト感、着心地の良さがあり、主製品であるコートはブランケットやストールを巻くような感覚で美しいシルエットを纏う事ができるため、近年需要が高まっている。 当社は「リバー縫製」において不可欠である「手まつり」職人の高齢化と継承者不足を補うため、高度技術を持った縫製工場との協力体制を構築し、職人存続に向けて熟練の職人たちが働く場の確保と、若手職人への技術継承にも取り組んでいる。26

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