ものづくり補助事業成果事例集
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 多岐にわたる農業用・園芸用資材の中で、容器・トレーを扱うメーカーは全国で15社程存在するが、当社は平成20年設立ということもあり、一番後発のメーカーといえる。 後発とはいえ、近畿圏内における園芸用トレーの販売シェアは約 1/4を占めており、リサイクルプラスチック素材の中でも低価値の原料を投入し、「園芸資材」という価値に変換するという他社にない技術で安定した価格での供給を行い、農協・種苗会社・一般農家等、顧客からの評価を得ることができている。株式会社 ヤマト容器-株式会社 ヤマト容器の概要-他社にない独自の技術による事業展開 自社製品の材料として使用する低価値樹脂、「容器リサイクル減容品樹脂」は、金属片・木くず・紙くず等、多くの異物が混入している。また、粉砕片の形状・大きさもバラバラであり、溶融工程において機械への負荷が大きく、成形工程では射出時に詰まる等、問題が発生する可能性が非常に高いため、材料として使用するプラスチック製造業者はまず居ない。 では、何故そのようなリスクのある樹脂を使うのか。 それは自社製品の特性と、自社ノウハウとして昇華した発想・技術がある事で、ペレット化された一般リサイクル樹脂より、リスクのある樹脂を使用することが当社にとってメリットとなるからである。 低価値樹脂を使用するメリットは次の点が挙げられる。1 原料コスト ペレット化された一般的なリサイクル樹脂に比べ微粉砕後の処理工程が少なく、当然ながら原料コストが安い。それにより製品価格も安価にでき、他社への優位性を確保できる。2 自社製品の特性と樹脂物性の高水準維持 低価値樹脂を使用する場合、異物が成形品表面の処理など品質に 影響する。仮に衣類ハンガー等であれば異物が布地を傷める要因になるため品質を重視されるが、自社製品は屋外等のハードな使用環境が想定される園芸用資材であり、品質は基準を満たしさえしていれば、壊れにくさ・剛性をより重視される。  一般的なリサイクル樹脂はペレット成形時に異物除去として一度溶融処理され、「溶かして固める」という工程により樹脂物性が低下している状態である。しかし、低価値樹脂は溶融処理されていないため、リサイクル樹脂に比べると樹脂物性が高く自社製品の剛性を上げることができる。-独自の技術-他では真似できない材料樹脂の活用 企業方針といえるこだわりは「如何に生産効率・生産速度を上げるか」であり、これは当社代表の生きがいでもある趣味の「自動車・バイク競技」が大きく影響している。 競技の基本思想である「タイム短縮」は元より、改造・メンテナンスの知識を射出成型機の改造に応用し、金型設計において敢えてタブーな要素を有効活用するなど、射出成型機のセオリーに囚われない柔軟な発想を可能にしている。 趣味知識を自社ノウハウまで昇華させた技術力をもって、今後も顧客ニーズに応え、安定した製品供給を目指す。-企業方針・こだわり-趣味知識を応用した柔軟な発想をもって挑む「速さ」へのこだわり所在地奈良県橿原市太田市町 46-1連絡先TEL : 0744-24-2655 / FAX : 0744-24-2663ホームページhttp://www.yamatoyouki.jp/E-MAILyamatoyouki@orion.ocn.ne.jp代表者名代表取締役社長 森川 直明業種分類事業内容プラスチック製品製造業園芸用カゴトレー製造販売 ・ 園芸資材販売10

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